気づかないうちに脳と体にダメージが!「睡眠負債」の怖さを解説します。
「睡眠負債」という言葉を聞いたことがありますか?
毎日の睡眠時間を十分に確保できず、睡眠不足が溜まることです。
なんとこの睡眠負債、知らないうちに少しずつ蓄積していってしまうそうです。
自覚がない場合がほとんどだと言われています。
あなたの睡眠負債度はどれぐらい?
毎日の睡眠不足が借金のように蓄積されていくことを、睡眠専門用語で「睡眠負債」といいます。
さて、あなたの負債はどのくらいでしょうか?
下記の項目で当てはまるものをチェックしましょう。
□ 朝すっきり起きられない
□ 朝食を食べる意欲がない
□ 朝に排便がない
□ 休日に寝だめする
□ 午前中に眠気がある
□ ベッドに入ったら5分以内に眠れる
□ ベッドに入ってから30分以上眠れない
□ 夜中に目が覚め、そこから眠れない
□ 昼間の活動レベルが低下気味
上記の項目に、1つでも当てはまったら睡眠に問題あり!
そして、チェックが多くつくほど要注意です。
なお、「すぐに眠れる」「どこでも眠れる」と聞くと、睡眠に問題なさそうですが、実は自覚のない隠れ疲労、
疲れ過ぎが原因の可能性もあります。
「すぐに眠れる」は睡眠不足や慢性疲労の注意信号と考えましょう。
睡眠負債を放っておくと、こんなに怖いことが!?
十分な睡眠時間の確保や熟睡ができていないと、睡眠負債を抱えてしまいます。
すると、仕事や家事で単純なミスが増えて、パフォーマンスが低下することに繋がります。
やる気が出ない、疲れがとれないといった状態も、睡眠負債が一因となっている可能性があります。
それだけではありません。
睡眠負債は、高血圧・糖尿病・肥満などの生活習慣病、うつ病などのリスク要因になることが、近年の研究で分かっています。
睡眠に問題を抱えている人は、自身の眠れない理由を知り、適切な対策を施して、睡眠負債を早めに返済していきましょう。
日中の強い眠気は、「ナルコレプシー」の可能性も
先ほどの睡眠負債度チェックリストに、「午前中に強い眠気がある」という項目がありましたが、
それがいきなりガクッと脱力するような眠気だったり、緊張している場面なのに耐えられない眠気に襲われて眠り込んでしまったりと、
通常の眠気の域を超えた状態が続く場合は、「ナルコレプシー(過眠症)」の可能性があります。
この場合、自己流で何とかしようとするのはNGです。
必ず専門の医療機関を受診するようにしましょう。
睡眠は長さも質も大切です。
睡眠の長さは7時間を目標にしましょう。
睡眠の質の良し悪しは、深く眠れたという感覚「熟睡感」を得られたかどうかで見極めてくださいね
「ナルコレプシー」とは?
ヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞が働かなくなるためにおこる過眠症。
ナルコレプシーは古くから知られていた過眠症のひとつで、日中に突然強い眠気が出現して、眠り込んでしまう病気です。
ナルコレプシーの眠気は強烈で睡眠発作と呼ばれます。入学試験中や初めてのデート中、顧客との商談中に眠り込んでしまうほどです。
また、眠気が襲ってきたことに気づく前に眠り込んでしまうため、居眠りをしたことに本人が気づかないこともあります。
ナルコレプシーに特徴的な症状として、びっくりしたり大笑いしたときに全身や身体の一部の力が抜けてしまうカタプレキシー(情動脱力発作)、
寝入りばなに出現する幻覚様の体験(入眠時幻覚)、寝入りばなに出現する金縛り(睡眠麻痺)があります。
近年、ナルコレプシーの原因が、脳の中のヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞(ヒポクレチン・ニューロンあるいはオレキシン・ニューロンといいます)が
働かなくなることによって起こることがわかりました。
この神経細胞が働かなくなる遺伝子異常が犬のナルコレプシーの血統で見つかったこと、同様の遺伝子異常が組み込まれたネズミでナルコレプシーの症状が出現すること、
ナルコレプシー患者さんでは脳脊髄液中のヒポクレチン(オレキシン)がほとんど消失していることから、確認されたものです。