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世界共通の社会問題『DV』とは? 重要点を解説します!

ドメスティック・バイオレンス(DV)には6種類あります。

身体的暴力
精神的・心理的暴力
社会的暴力
性的暴力
経済的暴力
子どもを利用した暴力

「暴力」という言葉でどんなことが思い浮かぶでしょうか。

殴る、蹴るといった身体的なもの以外に
言葉による精神的・心理的暴力、
お金を渡さないなどの経済的暴力、
家庭外の関係を遮断させる社会的暴力、
子どもに無理矢理何かさせる暴力、

傷ついた心はなかなか癒されるものではありません。

夫婦間、家族間で起こることが多い分、
そのデリケートな部分に踏み出せないケースもあるようです。

DVとは

DVとは

本来「DV」という言葉は家庭内の暴力全般についてあらわすものですが、
日本では長く子どもから親への暴力に限定したものを「家庭内暴力」と表現してきた歴史があったために、
これと区別する目的で親しい関係にある男女間における暴力を
「ドメスティック・バイオレンス(DV)」と呼ぶようになりました。
平成13年(2001年)に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法、配偶者暴力防止法)」が
施行されて以来、DVは急速に社会に知られるようになりました。
この法律では行政での配偶者暴力相談支援センターの設置義務や、被害者の保護命令などが定められています。

厚生労働省e-ヘルスネット

DVの問題は日本だけのものではありません

DVの問題は日本だけのものではありません

WHO(世界保健機関)の調査では、配偶者やパートナーから身体的暴力を受けたことのある女性の割合は、
多数の国で20~40%にのぼっています。日本でも配偶者から身体的な暴力を受けたことがある人は
女性31.3%/男性19.9%であり、また「身体的暴行」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」の
いずれかをひとつでも受けたことが「何度もあった」という人は、女性13.8%/男性4.8%となっています。
このようにDVは世界共通の社会問題であり、とりわけ女性にとっては
最も身近で遭遇する可能性が高いトラウマエピソードのひとつになっています。

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DVの心身への影響とケア

DVの心身への影響とケア

DVは心身の健康に大きな影響を及ぼします。
DVによる身体的な健康障害としては身体的暴行や性的強要による受傷はもとより、
頭痛・背部痛などの慢性疼痛、食欲不振や体重減少、機能性消化器疾患、高血圧、免疫機能の低下などが報告されています。
妊娠中のDV被害は特に注目されており、母体の被害だけでなく、早産や胎児仮死、児の出産時低体重も報告されています。
日本でもDV被害のリスクを有する妊産婦は全体の14%以上存在し、
特に10代の妊産婦のDV被害が際立って高い頻度になっています(日本産婦人科医会による調査)。

うつ病と心的外傷後ストレス障害(PTSD)

DV被害者に最も多い精神健康障害はうつ病と心的外傷後ストレス障害(PTSD)であり、
シェルターに逃げてきた被害者に対する調査では、うつ病は4割から6割、PTSDは3割から8割の被害者に診断されます。
うつ病やPTSD以外にも自殺傾向・不安障害・身体化障害・アルコールや薬物乱用がしばしば認められます。
また長年の暴力被害により、話がまとまらなくなっていたり、極端に自信を喪失していたり、過度に自責的になったり、
人を信用できなくなっている被害者も少なくありません。
これらの症状に経済的な不安等が加わって、被害者はしばしば加害者の元から逃げてはまた戻ることを繰り返します。

安全な居場所の確保

被害者の中には自分の被害を医療者にも相談できなかったり、あるいはDV被害と現在の心身の不調を結び付けられなかったりする人もいます。
加害者の更正プログラムなどの試みはありますが、日本においては現在のところ法的強制力はなく、
抜本的な状況の改善につながる結果は得られていません。
被害者とその子どもにとっては安全な居場所の確保がケアに先立つ最優先事項となります。

長い目で援助していく

加害行為からのがれたあとも、うつ病やPTSDの症状は長引くことがあり、
長期的な視点に立った息の長いケアが必要です。
失われた自信や主体性を取り戻すことが回復の大きなポイントになります。
また親族のもとに被害者が逃げた場合、具合の悪さが長引くことから
親族間の関係がギクシャクしてしまうことがあります。
被害者とその子どもの状態を理解し、長い目で援助していくことが重要です。

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面前DVも虐待のひとつ

面前DVも虐待のひとつ

近年ではDVにさらされた子どもたちの心身の問題も徐々に知られるようになってきました。
身体的に直接的な虐待被害を受ける子どもも少なくありませんが、
DV状況の目撃そのもの(面前DV)も虐待のひとつです。
シェルター滞在中の調査では心理的ケアを要する臨床域にあるとされる子どもは8割に達するとの報告もあり、
今後の重大な課題となっています。
加害親との面会交流は子どもの症状の十分な評価と治療的配慮の上で行われる必要があります。
また被害親子の精神健康は相互に影響しており、両者のケアがリンクして行われるのが理想的です。

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さいごに

さいごに

心も身体も支配され、自分ひとりで抱え込んでしまうケースが多いと言われているDV。
怖いけれど、どうすることもできない、逃げようにも逃げられない・・・

人格を否定され続け、精神的にボロボロになってしまった人が、回復までどのくらい年月がかかるのか・・・
自由になっても、何かのひょうしにフラッシュバックが・・・
DV被害に遭われた方の多くは安定するまでに多大な時間を要するそうです。

『これってDV?』
と、感じたら抱え込まずに、誰かに相談することをおすすめします。