過眠を引き起こす病気とは?原因と症状を解説します
十分に睡眠をとっているのに
日中、突然睡魔におそわれる…
そんなことが続いたら睡眠障害かもしれません。
ナルコレプシーは世界で2,000人に1人、
日本では600人に1人くらいの割合で発症されています。
日中の病的な眠気(過眠)
夜十分に睡眠をとっているはずなのに、昼間の眠気が強く、
目覚めていられない状態を過眠といいます。
健康な人でも午後になると体内時計の働きによって眠気が強まりますが、
眠ってはいけないときには意志の力で目覚めていることができます。
過眠があると、パソコンに向かって仕事をしていたり、
会議で他の人の話を聞いていると居眠りをしてしまいます。
入学試験や顧客との商談中など、
通常では考えられない状況で居眠りをすることもあります。
居眠りや集中力の低下により、学業や仕事に支障がでるだけでなく、
転落・転倒や交通事故の当事者となりやすくなり、
特に居眠り運転では無関係な人に傷害を負わせてしまうことがあります。
職業運転手や大型機械オペレーターなどでは産業事故を引き起こすことがあります。
過眠を引き起こす病気
過眠を引き起こす病気はいくつかありますが、大きく分けて2種類に分けられます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中の身体の症状のために深く眠ることができず、慢性の睡眠不足となってしまうもの
この病気では眠り出すと呼吸が止まってしまい、身体が酸欠状態になるため睡眠が中断します。
しかし眠り出すと再び呼吸が止まってしまうため、深い睡眠をとることができなくなります。
このため慢性の睡眠不足の状態となり、昼間の眠気が出現します。
睡眠時無呼吸症候群では昼間の眠気が出現するだけでなく、夜間の長時間の酸欠状態により、
高血圧が引き起こされたり、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなったり、
糖尿病が悪化したりと、生活習慣病が引き起こされます。
このため中等症以上の睡眠時無呼吸症候群を放置すると
10年後には3~4割の方が死亡してしまうといわれており、早期治療が大切です。
ナルコレプシー
脳の中の睡眠を調節する機構がうまく働かず、日中に強い眠気が出現するもの
ナルコレプシーでは夜十分な睡眠をとっていても昼間に突然眠気に襲われ、居眠りしてしまいます。
ナルコレプシーは目を覚まし続ける役割を持っているヒポクレチン
あるいはオレキシンといわれるタンパク質を作り出すことができなくなることによって起こります。
睡眠不足
健康な人でも長期間睡眠不足が続くと昼間の強い眠気が出現することがあり、
睡眠不足症候群と呼ばれています。
睡眠不足症候群では平日の睡眠時間が3~5時間と短く
休日に睡眠不足を取り戻すため9~10時間と長く眠るのが特徴で、
平日の睡眠を十分とるようにすると日中の強い眠気はなくなります。
毎日必要な睡眠時間は人によって異なりますので、
周りの人が4~5時間の睡眠で大丈夫だから自分も大丈夫だろうと、
同じような生活をしていると睡眠不足の影響が強く出ることがあります。
さいごに
学校の授業中や、仕事の会議中に眠気におそわれたことがある方も多いと思います。
寝不足など、原因があきらかになっていればいいですが
十分に睡眠をとっていても耐えられない眠気が一日に何度もおそってくる場合は
専門の医療機関を受診して検査、治療を受けることをおすすめします。